Q&A

Q&A ~よくあるご質問~

月経について

Q:
ダイエットで3キロの減量に成功したんですが、生理が不順になってしまいました。関係あるんですか?(24歳未婚)
A:
生理不順で悩んでいるかたが増えています。無理なダイエットによる急激な体重減少や激しい運動による肉体的ストレス、学校・職場での精神的ストレス、等により卵巣の働きが悪くなっていることが考えられます。長い間放っておくと将来不妊症につながることもあり、また子宮体がんの危険が増したりする心配が出てきます。早めに一度相談に来られることをお勧めします。
Q:
最近生理痛がひどくなってきました。市販の痛み止めを飲んでいるのですが、だんだん効かなくなってきたみたいです。(28歳既婚子供なし)
A:
生理痛の原因は、器質的なものと機能的なものに分けられます。前者の代表的なものとしては、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、性感染症による骨盤内炎症(骨盤腹膜炎)などがあり、これらを除外できたものは後者として扱います。色々な検査が必要になってきますので、まずは相談にいらしてください。
Q:
生理が1年近く来ません。自分としては楽でいいのですが、将来的に何か影響ありますか?(22歳未婚)
A:
最初のQでもお答えしたように、長い間放っておくと将来不妊症につながることもあり、また子宮体がんの危険が増したりする心配が出てきます。早めの検査と治療をお勧めします。
Q:
高校1年生ですが、初潮がまだです。診察を受けなければだめでしょうか?(15歳)
A:
16歳になっても月経が発来しない場合、一般に原発性無月経として扱われます。 もともとの病気が隠れていることもまれにありますので、一度婦人科を受診したほうがよいでしょう。内診しなくても、腹の上からの超音波検査や血液検査などでかなりの情報が得られます。

おりもの、避妊など

Q:
最近おりものが増えて気になります。カレもおしっこのときにピリッとするとか言っているので、性病ではないか心配です。(19歳未婚)
A:
性感染症(STD)である可能性が高いと思います。頻度的にはクラミジア感染が最も多く、最近は淋病も増えてきました。早めにきちんと検査を受けて、正しい治療をしないと、特に女性の場合、将来的に不妊症や慢性の下腹痛の原因となったり、いろいろ大変なことになるおそれが出てきます。未治療のまま妊娠すると、子宮外妊娠や流産、早産の原因となることもあり、出産のときに赤ちゃんに感染してしまうこともあるのです。なお、治療の際はパートナーも同時に治療することが大切ですので、彼氏にも必ず泌尿器科を受診してもらってください。男性の場合、簡単な尿検査程度で薬を処方してもらえるケースも多いですよ。
Q:
避妊のためにピルを使ってみたいんですけど、初めてなのでちょっと心配なのですが...(28歳未婚)
A:
厚生省認可後も、「ホルモン剤」に対する日本人特有の先入観からか、未だピルを使用している方は少ないのが現状です。きちんと検査を受けた上で服用を開始し、定期検診をお受け頂ければ、決して危険な薬ではありません。外来で詳しく説明いたしますのでご相談ください。
Q:
「危険日」なのでコンドームを使ってセックスしてたのですが、途中で破れてしまいました。妊娠してしまわないか心配です。何か方法はありますか?(30歳子供1人)
A:
コンドームの破損時,あるいは膣外射精の失敗時などの場合、72時間以内であれば、ピルを服用することで妊娠を回避できる可能性があります(モーニングアフターピル)。こんな時は、なるべく早く受診して望まない妊娠を避けましょう。

更年期

Q:
最近よく、暑くもないときに急に汗が出たりのぼせたりします。更年期障害でしょうか?生理の周期は最近少しずつ早まってきたようです。(49歳子供2人)
A:
のぼせ、ほてりなどは、血管運動神経障害という自律神経失調のひとつで、若いひとでも起こることがあります。閉経期前後には卵巣から分泌される女性ホルモンが減少するため、自律神経の調整がうまくいかなくなるので、このような血管運動神経障害のほか、異常発汗,肩こり,イライラ,性交障害等の不快な症状が現われやすく、また骨量の減少による骨粗しょう症,高脂血症等も更年期から問題になってきます。これらに対し、欧米ではホルモン補充療法(HRT)を行い、女性ホルモンの減少による老化を防止しようという考え方が主流となってきています。当院でもHRTを積極的に行い、更年期の不快な症状を軽減すると共に、老年期の骨粗しょう症,高脂血症による動脈硬化を予防しようと考えています。また、乳癌の術後等で女性ホルモンの長期服用が好ましくない方などには、漢方薬による治療等別の方法で更年期障害を乗り切ることを提案します。
40歳を越えて月経周期が早まってくるというのはよくみられることです。25日周期程度までならそのまま経過をみていてよいでしょう。あまり頻繁に出血がみられる場合は無排卵周期になっていることも考えられ、ホルモン療法の対象となります。また、子宮体がんの検査も重要ですので診察を受けてください。
Q:
42歳のときに子宮筋腫で子宮全摘手術を受けました。今は特に症状はありませんが、更年期障害にはいつ頃なるのでしょうか?(48歳子供3人)
A:
更年期障害がくるのかどうか、またいつなるのか、については個人差が大きく、一概には言えません。症状の程度も様々です。子宮を摘出する手術を受けた方は、月経がありませんので閉経という目安がないのですが、女性ホルモンと脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンの血中レベルを調べること(血液検査のみ)により、卵巣の働きが落ちているのかどうかを簡単に知ることができます。

不妊、不育

Q:
結婚して2年近くなりますが、子供ができません。生理は順調で、排卵のあたりにおりものが多くなるのでそれに合わせてセックスをしていますがうまくいきません。どうしたらよいでしょうか?(31歳)
A:
一般に、不妊の原因はひとつでないことも多いものです。きちんと系統だった検査を受けて、できるだけ多くの情報を得てから治療計画を立ててもらうのがいいでしょう。
基礎体温をつけることは大事な情報源のひとつになりますのでまずそこから始めて、受診のときに体温の記録を持参してください。
Q:
結婚して1年半ほどがんばってますが妊娠しません。結婚前から生理不順です。基礎体温を測っていますが、バラバラでよくわかりません。排卵の時期を知るにはどうしたらよいでしょうか?(29歳)
A:
基礎体温が上がって高温相になってからなら排卵したことを知ることはできますが、その時期にはもう妊娠のチャンスはほとんどありません。婦人科を受診してくだされば、膣から超音波装置で卵巣を観察することでかなり正確に排卵時期を予測できます。ただし、1周期に1回の受診では確率が落ちますので何回か受診していただき、卵胞のサイズ計測と尿検査の結果によって、最も妊娠しやすい時期をお教えできるのです。これがいわゆるタイミング法です。排卵があまりに不規則な場合は、排卵誘発剤による治療の対象となります。
Q:
1年前に初めて妊娠したのですが妊娠7週で流産となってしまいました。今回2度目の妊娠となり、現在妊娠6週といわれましたが、流産を予防する方法はありますか?(27歳)
A:
ほとんどの流産は、予防も治療もできないものです。流産というのは悲しい出来事ではありますが、実は想像以上に頻繁に起こっている自然界の掟(=自然淘汰)なのです。自然流産の頻度は、最近の妊娠検査薬の進歩によりかなり初期から妊娠の診断がつくようになったこともあり、4、5人にひとりは流産に終わってしまうことが知られています。その原因を調べてみますと、70%近くは、染色体異常といって、受精した瞬間から運命づけられた、子供の側の異常が原因なのです。また残りの30%のうちの何割かは、染色体の数や構造は正常だけれどその中の遺伝子(DNA)レベルの異常があり、やはり先天的な異常が流産を引き起こしていると推測しています。これらの原因のうちの大多数は、突発的に起こるものであり、次回の妊娠に直接は影響しないものです。 ただ例外的(2%以下)に、母体に何らかの病気が隠れているために起こる流産があり、その場合は次回の妊娠でも同じ危険にさらされるため、流産を繰り返してしまうことがあります。その代表的な病気については、血液検査で調べられますし、引っかかった場合の対策もきちんと確立されていますのでぜひご相談ください。

セカンドオピニオン

Q:
他の病院で卵巣嚢腫といわれ、手術を勧められました。できるだけ手術は避けたいのですが、おなかを切らないでなおす方法はないのですか?(24歳未婚)
A:
手術で摘出したものを顕微鏡で検査して初めて正しい診断がつきます。手術が必要かどうか、またするとしてその方法をどうするのかについては、まず画像診断(超音波、CT、MRI)と、経時的変化にも注意することと、腫瘍マーカーなどの血液検査を補助的診断として参考にして...などの慎重な術前評価が重要なのです。悪性を疑わせる所見がない場合に限り、腹腔鏡での手術が適応になることがあります。その場合は、傷も小さく、楽ですし、社会復帰も早くてすむなどのメリットも大きいものですから、ぜひご相談ください。
Q:
子宮筋腫の診断で、子宮をとる手術を勧められました。子供はもう作るつもりはないのですが、子宮をとってしまうのには抵抗があります。手術以外の方法はありませんか?(40歳子供2人)
A:
あなたの年齢で子宮筋腫を切らずに治すというのは困難です。ただし、子宮動脈塞栓法(UAE)という新しい特殊な治療法がありますので、それが適応になるかどうかを診てもらう価値はあるかと思います。また、手術でも、子宮筋腫だけをくり抜いて取って、子宮は温存するという手術(子宮筋腫核出術)という方法があります。更に筋腫が3個以内でさほど大きくないならば、腹腔鏡を用いて核出術をするという方法も適応になることもあります。月経を止める注射を用いて筋腫を小さくしてしまうという治療もありますが、閉経まで数年以上ある場合はお勧めできません。手術前の処置、あるいは時間稼ぎとして補助的に使うことはありますが...。
このように、筋腫の場合、何もせずに経過をみるという方法も含め、その対処のしかたは多種多様の可能性を含んでいますから、それらをきちんと説明してくれる医師を選ぶのがよいと思います。

産 科

Q:
現在妊娠7ヶ月ですが、最近よく足のふくらはぎがつります。特に夜中とか朝早くとかベッドの中でつって痛くて困ります。どうしたらいいでしょうか?(24歳初産)
A:
妊娠中期以降は足がつりやすくなることがあります。カルシウム不足や運動不足も一因とされます。しかしカルシウム補給だけではなかなかすぐには効きません。一番効くのは、「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方薬です。即効性もありますし予防的にも効きますし、何より、妊娠中でも安心してのめますのでお勧めします。
Q:
風邪をひいてしまいました。熱が38度あるのですが、薬を飲んだりするのは抵抗があるので、医者にかかるべきか迷っています。受診するとしたら内科と産婦人科とどちらがよいのでしょうか?(28歳初産)
A:
妊娠中の病気については基本的にはまず産科に受診して相談したほうがよいと思います。必要な場合には産科医から専門の科の医師に紹介します。
風邪も軽いものなら薬は不要だし、うがい薬と漢方薬などで済むケースも多いのですが、高熱(38度以上)のときは、熱自体が胎児にストレスを与えますし、解熱が必要なこともありますから必ず受診してください。
Q:
妊娠10週ですが、もともと便秘症で、妊娠したらますますひどくなってしまいました。漢方の便秘薬なら飲んでも大丈夫ですか?(27歳初産)
A:
漢方の中でもダイオウを含むものなどは子宮収縮作用があるため妊娠中には好ましくないので、自己判断で飲むのはやめましょう。妊娠中の便秘の薬物療法としての第一選択は塩類下剤(酸化マグネシウム)と生菌製剤の併用です。ほとんど吸収されませんし、効きめがマイルドで子宮収縮や腹痛を起こしにくいからです。生菌製剤を継続することにより腸内細菌叢が改善されて宿便も取れ、便秘しにくい体質になることも期待できます。